気づいたら、 整理されていました。
比べていた時期。
はじめのうちは、住宅展示場を回ったり、ネットで坪単価を比べたりしていました。性能、価格、デザイン、立地。資料はどんどん増えて、机の上に積み重なっていきました。
でも、ある時、ふと気づいたんです。情報は集まっているのに、「結局、どんな暮らしがしたいんだっけ」が、自分でもよく分からなくなっていたことに。
夫婦で話しても、「広いリビングがいいよね」「収納は多めに」と、要望の話にはなる。でも、なんだか自分たちの話じゃないような気もしていました。
「観察」から、はじめてみた。
SENqに出会ったとき、最初に渡されたのは、間取りのカタログでも、見積書でもなく、一冊の小さなノートでした。
「7日間、暮らしを観察してみてください」と言われて、最初は、正直、よく分かりませんでした。でも、書くことが少なかったので、気軽にはじめられました。
朝、自然に行きたくなる場所。夜、ほっとする時間。子どもが必ず立ち止まる廊下。なぜかいつも物を置いてしまう棚の上。
「ああ、私たちはこんなふうに暮らしていたんだ」と、
少しずつ気づいていきました。
家族で、見ていた景色が違った。
次に「家族の対話ガイド」というノートを渡されて、夫と少し話してみました。意見をまとめる会議ではなく、「お互いの感覚を聞いてみる」時間でした。
夫は、夜、家に帰ってきて誰の気配もない方がほっとするタイプ。私は、少し人の声がする方が安心するタイプ。同じ家にいたのに、見ていた景色が、こんなにも違っていたんだなと思いました。
違いを「合わせなきゃ」と思っていたら、たぶん、どちらかが我慢する家になっていたと思います。違いを、まずそのまま知るだけで、不思議と、設計の方向性は見えていきました。
建築の話は、最後の方でした。
不思議なことに、建築の具体的な話になったのは、ずいぶん経ってからでした。「観察」と「対話」を繰り返した後で、設計士の方と話したときには、もう、何を大切にしたいかが、自分たちの中で、ある程度はっきりしていたんです。
朝の光がいちばん入る場所に、小さなダイニング。夫が一人になれる、少し閉じられる場所。子どもが自然に集まる、廊下の途中の小さな本棚。
「これがしたかったんだ」というよりも、「ああ、私たちはこういう暮らしを大切にしていたんだ」と確認していくような感覚でした。
もちろん、家事を楽にしてくれる便利な仕様も入れました。でも、それは「家の中心」ではなくて、暮らしを支える小さな部分として、自然な位置に収まっていきました。
その後の、暮らし。
家が建ってから、もうすぐ一年が経ちます。
朝のダイニングで、コーヒーを飲んでいる時間は、いまも変わらず、私のいちばん落ち着く時間です。夫は、夜、自分の小さな書斎で、少しだけ閉じる時間を持つようになりました。子どもたちは、廊下の本棚の前で、毎日のように立ち止まっています。
完璧な家ではないかもしれません。住んでみてから気づくこともあります。でも、「自分たちで選んだ」という感覚が、暮らしの中に静かに残っているのを感じます。
家を建てたい、と思っている方には、もしよければ、急がずに、まず暮らしを少し見つめてみることを、お勧めしたいです。
急がず、整えすぎず。
あなたの暮らしも、少し見つめてみませんか。
SENqでは、対話の時間と、暮らしを見つめるための3冊子をお届けしています。
営業のご連絡は、いたしません。